タンカン共販実績79トン 出荷順守へ罰則規定導入 23年度産・奄美大島

2024年04月23日

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2023年度産タンカンの販売実績などを報告した出荷販売反省会=22日、奄美市名瀬

JAあまみ大島事業本部生産部会連絡協議会果樹部会は22日、奄美市と龍郷町で2023年度産タンカン出荷販売反省会を開いた。出荷実績は前期比17・895トン減の79・673トン。今期も事前提出した出荷申込量より大幅に少ない量しか出荷しない事例があったことから、意図的な出荷キャンセルなどを行った部会員に対する罰則規定を設ける方針を確認した。

 

奄美市の農業研究センターであった反省会には約30人が出席した。同部会によると、23年度産は昨秋の日照時間が長く、寒暖差があったことで品質は良好に仕上がり、平均糖度は前期比0・84度高い11・97度。出荷実績のうち、規格外品を除く製品は同5・8トン減の62・5トン。製品のキロ単価は同44円高の626円で、販売金額は同69万5千円減の3914万円となった。

 

支所別出荷実績は▽名瀬28・059トン(計画量19・25トン)▽笠利1・001トン(同0・78トン)▽住用9・799トン(同11・75トン)▽龍郷2・562トン(同7・65トン)▽大和21・456トン(同22トン)▽宇検11・122トン(同9・45トン)▽瀬戸内5・675トン(7・83トン)。

 

等級別出荷割合は秀品(A品)17・7%、優品(B品)29・2%、良品31・6%、規格外品21・6%。今年度の選果場持ち込み数量は共販83・308トン(前期比26・97トン減)、委託163・649トン(同6・74トン増)の計246・958トン(同20・229トン減)だった。

 

共販の出荷キャンセルについてJAは「事前申請で3トン出荷を予定していた人が300キロしか出さず、2トン予定でゼロの人もいた。全体では計画より約8トンも少なくなったため、大規模農家にお願いして必要量を確保した。増えるのは対応できるが、減るのは一番困る」と説明。出荷予定量の多くは、奄美市名瀬の中央青果市場へ流れたとみている。

 

以前から出荷キャンセルの事例はあったものの、同部会では選果場への出荷が減る可能性を懸念し、ペナルティの導入を見送ってきた。同部会役員は「この状況を放置するわけにはいかず、何かしらの対策をとる必要がある」と述べ、役員会で罰則規定案を協議した上で、8月の同部会総会に諮る方針を確認した。

 

23日は宇検村と瀬戸内町、24日は大和村で反省会を開催する予定。