乗り合いタクシー 定時運行に 奄美市笠利町
2019年04月03日
地域
バス路線のない奄美市笠利町打田原・前肥田地区の移動手段確保を目的に奄美市は2日、赤木名地区と結ぶ定時定路線の乗り合いタクシー実証運行をスタートさせた。昨年10月から半年間デマンド交通(事前予約制)を実施したが、利用者が少なかったため運行形態を見直した。通常の路線バス同様に1日4便(火、木、土曜の週3回)を走らせ、集落住民以外の人や観光客らの利用も可能になった。9月28日まで。
打田原・前肥田地区は町内で唯一バス路線のない地域公共交通空白地帯だった。住民の要望を受けて半年間の実証運行を実施したが、2月末現在の利用状況は実運行回数3回、利用者数延べ4人にとどまった。
住民らへの聞き取りの結果、予約制に対する抵抗感や、崎原海岸に向かう観光客ら住民以外のニーズもあったことから、3月の市地域公共交通活性化協議会で定時定路線への切り替えが承認された。
これまで同様、㈱三井タクシー(本社・同市笠利町里、里高志社長)がタクシー車両を走らせる。「乗合タクシー実証運行中」のステッカーが目印。
鯨浜を含む3集落と「手花部バス停」、赤木名地区の「Aコープバス停」「笠利診療所」を結ぶ。料金は200~400円で予約は必要ない。3集落内は経路上のどこからでも乗降可能なフリー乗降区間とする。運行時刻は名瀬市街地や空港・佐仁間の路線バス接続も考慮した。
本格運用へ移行する目安として活性化協は「利用者数1日2人以上」の判断基準を設定している。市笠利総合支所産業振興課は「乗客が多い場合は追加配車も対応する。継続運行のためにもぜひ利用を」と呼び掛けた。
市地域公共交通網形成計画(2018~22年度)に盛り込まれた施策の一環。このほか笠利地区のバス停7カ所にシェルターやベンチを整備し、バス待ち環境の改善を図った。