先人の偉業を後世へ 日本復帰記念で各種催し 徳之島町
2023年11月06日
地域

本場奄美大島紬を着て日本復帰の歌を斉唱する役場職員と、相撲探究家の松田哲博さん(円内)=5日、徳之島町文化会館
奄美群島の日本復帰70周年を記念した一連のイベントが5日、徳之島町内で開かれた。復帰祈願で行われた亀津高千穂神社への参拝行列の再現や、式典「日本復帰70周年記念のつどい」などを開催。参加者は、先人が成し遂げた偉業を振り返るとともに、後世へ語り継いでいくことの重要性を改めて確認した。
記念のつどいは同町文化会館であり、同町井之川の伝統芸能「夏目踊り」で開幕。高岡秀規町長は復帰運動のリーダー泉芳朗のほか、亀津連合青年団長の爲山道則、徳和瀬青年団長の前田長英を日本復帰の功労者として紹介し、「徳之島の先人たちが復帰を実現したことを誇らしく思う。復帰に懸けた思いや精神を子や孫に引き継いでいきたい」とあいさつした。
式典には約300人が来場。復帰記念作文コンクールで町長賞を受賞した町田結彩さん(亀津小6年)の作品朗読や入賞者表彰があり、徳之島出身の第46代横綱「朝潮」についての基調講演もあった。
第2部では元力士「一ノ矢」の松田哲博さん(62)=同町亀津出身=らが「邦楽と相撲」と題して公演。現在は相撲探究家として活動中の松田さんは、朝潮や日本復帰をテーマにした相撲甚句を披露したほか、高砂部屋の現役呼び出しによる朝潮の呼び出しも再現し、来場した相撲ファンを楽しませた。

約200人が参加した亀津高千穂神社参拝=5日、徳之島町
亀津高千穂神社への参拝行列は午前10時にスタート。約200人が横断幕や日の丸の小旗を手に同町役場から神社までの約600メートルを練り歩いた。一連の記念行事のために来島した爲山道則の長女、松田のり子さん(76)=大阪府=は「両親の生まれた徳之島で復帰の節目を祝えただけでなく父の話も聞くことができ、思い出深い訪問になった」と笑顔で語った。
作文コンクールの被表彰者は次の通り。(敬称略)
【奄美群島日本復帰70周年記念小中学生作文コンクール】▽町長賞 町田結彩(亀津小6年)▽教育長賞 尚正宗(母間小6年)▽議会議長賞 下窪友彩(亀津小6年)▽副町長賞 池畑海莉(母間小4年)▽学校賞 亀津小、母間小