利便性向上へ系統変更 来年3月まで試験運行 喜界バス
2022年10月08日
地域
喜界島で路線バスを運行する奄美航空喜界バスは5日から、試験的に路線を変更して運行を行っている。住民の利便性向上などを目的に、期間を限定して実施。来年3月末まで、従来の①北本線②南本線③中央線-の3系統を、北本線と南本線の2ルートに中央線を抱き合わせた①北中央線②南中央線-の2系統に改編し、4カ所にバス停も増設した。利用状況も踏まえ、期間後の新たなルートの検討も行う。
喜界町内の公共交通機関は、喜界バスとタクシー1社。バスを利用しているのは敬老パス(70歳以上)の利用者が約8割で、買い物や病院への通院が多い。
バスの試験運行は、利用者の少ないルートの見直しやバス停の設置場所などについての住民からの要望を受けた取り組み。今年3月に運行事業者や医療福祉関係者、行政担当者らで喜界町地域公共交通会議を組織し、協議を重ねてきた。
試験運行を行う2系統は、いずれも島を1周する県道と内陸部をつないで町内の全集落を経由する。南中央線は北中央線を逆走するルート。新たなバス停は、観光客にも人気の「スギラビーチ」(中里集落)や、県道のバス停まで遠い小野津集落内などに設置した。料金などに変更はない。
試験運行が始まった5日の利用者は95人。北中央線の始発に乗った70代女性は「ルート変更が気になっていたが、いつも通らない景色を楽しめた」と話し、子ども連れの30代女性は「観光バスに乗っているような気分で楽しかった。バスでスギラビーチにも行ってみたい」と話した。
喜界バス湾営業所の西尾勝幸所長は「以前からスギラビーチも含めた系統案は模索していた。今回の系統改編で、島内の新たな交流が生まれるのではないかと期待している。多くの人に喜んでもらえる地域密着型の運行をしたい」と話した。
町地域公共交通会議で意見を交わしてきた喜界町企画観光課の中村幸雄課長は「島内の交通弱者対策などに向け、議論していきたい」と語った。
試験運行や系統変更に関する問い合わせは電話0997(65)0061喜界バス湾営業所へ。