台風後、屋根から転落7人搬送、1人死亡
2018年10月13日
地域
台風で壊れた建物の屋根などを修理しようとして、住人や業者が転落する事故が相次いでいる。台風24号が奄美群島に接近した9月29日から10月10日までに、群島内で少なくとも7件発生し、1人が死亡した。消防は「高所作業の際にはまず安全確保を」と呼び掛けている。
各島の消防関係機関によると、屋根や脚立などから転落して搬送された人は奄美大島3人、徳之島4人。
奄美市名瀬では、50代男性が屋根の雨漏り箇所にブルーシートをかぶせていた際、誤って転落し死亡。70代男性は自宅の屋根を修理中、脚立から転落して腰に重傷を負った。50代男性は業務中の事故だった。
名瀬労働基準監督署によると、業務中、高さ2㍍以上の場所で作業する際は、足場を組む必要がある。足場を組めない場合は、安全帯着用や安全ネット設置など対策を講じなければならない。
「専門外の人が安易に屋根に乗るのは非常に危険」と牧角文治署長。「屋根は経年劣化や台風の風雨で脆くなっている可能性がある。専門知識のある人に相談した上で、作業を行ってほしい」と促す。
県危機管理防災課のまとめ(10日午後3時現在、速報値含む)によると、台風24号での奄美群島の住家被害は3736棟。大島地区消防組合消防本部は「転落事故は今後も発生する可能性がある」と警戒を強める。