地域住民、教育に積極参加 会員167人、会費で備品購入 和泊町立大城小の準PTA
2018年06月19日
地域
子どもが小学校などに入学すると保護者が加入するPTA。近年は共働き世帯の増加や保護者の価値観の多様化、少子化に伴う児童生徒の減少などでPTA活動が衰退している学校もある。そうした中、今年創立120周年を迎えた和泊町の大城小学校(園田あけみ校長、児童47人)では校区住民で構成する「準PTA」がPTA活動をサポートするなど学校教育に積極的に関わっている。
県教委によると、PTA準会員制度を設けている県内の学校数は把握されていないが、主に小規模校で導入例がみられるという。
南海日日新聞社が奄美12市町村の各教委に問い合わせたところ大城小のほか、知名町の上城小や大和村の大棚小、瀬戸内町内の複数の小規模校などで、準PTA(あるいは賛助会員)活動が行われていた。他に「おやじの会」など独自の団体もいくつかあった。
大城小の準PTAは1995年発足。当時PTA会長だった同町玉城の安田克彦さん(65)によると、少子化に伴うPTA会員の減少を危惧した校長の発案で、校区内の住民に会への加入を呼び掛けたという。
初年度50人だった会員数は17年度末現在167人。同校のPTA会員43人の約4倍に当たる地域住民が加入している。会長は置かず各集落区長が世話人を務め、会費は年間1千円。毎年6月に総会を開く。
会費は児童用まわしや精米機、扇風機、保健室の電気ヒーターなど主に学校の備品購入費に充てている。本年度は多目的テントを購入した。
安田さんは「小規模校は行事運営などPTAだけでは大変。準PTAの取り組みが20年以上続いてるのは地域住民の『愛校心』の表れでもあり、うれしく思う」と語った。
同校の園田校長は「準会員への加入は校区民の方の『学校教育に関わる』という意思表示のようにも感じており心強い」と語る。平山烈士PTA会長は「今年は創立120周年でさまざまな記念事業も企画しているが、学校と保護者、地域が一つになって取り組める体制が整っているのは大変ありがたい」と話した。
(沖永良部総局)