外来種駆除を観光資源に 県外学生ら参加で試行 奄美市
2019年10月05日
地域
県は4日、奄美市住用町の国道沿いなどで外来植物の駆除活動を行った。観光資源として外来種防除活動が活用できないか検討する初の試みで、大正大学(東京)の学生ら15人が参加し試験的に駆除活動を体験した。世界自然遺産登録を視野に、観光客誘致や交流人口拡大による地域活性化の可能性を探る。
今回の駆除対象はセイタカアワダチソウ、シロノセンダングサ、ムラサキカッコウアザミ、アメリカハマグルマの4種。作業に先立ち、奄美市役所住用総合支所で講習会があり、県が作成した外来種駆除マニュアルを活用し対象植物の特徴や在来種に与える影響、駆除方法などの説明があった。
駆除を行ったのは、同町役勝の国道沿いとマングローブ展望台。参加者は2時間ほどかけてごみ袋約40個分の外来植物を取り除いた。県は参加学生を対象にアンケート調査などを行い、観光資源として活用できるか検証する。
大正大地域創生学部3年の齊藤美結さん(20)は「世界自然遺産登録に向けて外来植物の駆除に貢献できるのであれば、とても良い取り組みだと思う」と話した。
県環境林務部自然保護課の羽井佐幸宏課長は「世界自然遺産の保全に寄与する外来種駆除活動に参加できるというのも一つの地域資源にはなるのではないか。外来種対策が地域づくりや地域振興にも貢献できるようになれば」と述べた。
外来植物は在来植物の成長を阻害し駆逐するなど生態系に影響を及ぼす恐れがある。植物の根には再生能力があるため駆除する際は残らないよう丁寧に引き抜き、飛散しないようビニール袋などに入れて焼却処分する必要がある。
今回駆除したセイタカアワダチソウは一般防除種、センダングサ類とムラサキカッコウアザミは重点啓発種にそれぞれ県が指定している。