奄美の自然、沖縄で発信 2日間で1千人超が来場 奄美博物館巡回展
2025年03月31日
地域

家族連れなど来場者でにぎわった巡回展の様子=沖縄市
奄美群島の自然と生き物の魅力を広く伝える「奄美博物館巡回展in沖縄島」が22、23の両日、沖縄市の動物園・博物館施設「沖縄こどもの国」で開かれ、延べ1千人を超える来場者でにぎわった。
巡回展は、世界自然遺産に登録された奄美と沖縄の交流促進を目的に、奄美市立奄美博物館が2023年度から実施している巡回企画の一環。23年6月に環境省西表野生生物保護センターで開いた第1回に続き、2回目の今回は世界自然遺産地域にある博物館として交流のある沖縄こどもの国での開催となった。
会場では、アマミノクロウサギやルリカケスなど奄美群島に生息する希少な固有種の剥製標本や、自然環境に関する解説パネル、写真集などが並び、親子連れを中心に多くの来場者が足を止めて見入っていた。
体験型展示では、動物パズルのほか、アマミノクロウサギの実際の重さを感じられる抱っこ体験用の模型や、毛並みに直接触れられる剥製が人気を集めた。
子供たちは「思ったよりずっしり」「丸っこくてふわふわしている」と楽しみながら触れ、クロウサギの存在を身近に感じている様子だった。
奄美博物館の平城達哉学芸員(33)は、「同じ世界自然遺産に登録された島として、奄美ではどんな生き物がどう暮らしているのか、まずは知ってもらうことが大事。楽しんで体験することで、さらに理解が深まる」と語った。
沖縄こどもの国・動物園創造局の金尾由恵副主幹は「沖縄と奄美は、それぞれ『世界でここにしかない』ものがある。地元にいると当たり前に感じがちだが、展示を通じて、沖縄の自然や生き物がもつ貴重さにも改めて気づいてほしい」と話した。
(沖縄・佐久本薫通信員)