官民で脱炭素推進 温暖化防止計画策定へ 奄美市世界遺産活用連携会議
2023年07月15日
地域
奄美市世界自然遺産活用プラットフォーム(公民連携会議)の2023年度第1回会合が14日、市役所会議室であった。安田壮平市長が今年度のコアメンバー(会議の委員)10人に委嘱状を交付。座長に鹿児島大学法文学部教授の西村知(さとる)氏を選任した。市の地球温暖化防止活動実行計画(区域施策編)の策定に向け、来年3月までに4回の会議を予定している。
同プラットフォームは昨年5月に設立。民間や一般市民を交えた「公民連携」で、奄美大島などの世界自然遺産登録効果を地域振興に生かす方策や、希少種の保全策などを議論した。
コアメンバーの任期は1年間で、前年度からメンバーを総入れ替え。「地球温暖化対策法に基づく実行計画区域施策編の策定」をテーマに議論を重ねる。
同計画(区域施策編)の策定は、民間事業者や一般家庭を含めた、市内での温室効果ガス削減の取り組み内容や目標値を示すことで、脱炭素社会の実現に向けた官民の取り組みをより一層推進する目的。
計画はプラットフォームでの議論と、今後実施するパブリックコメントによる市民の意見などを踏まえ、23年度中に策定する。
第1回会議では事務局が温暖化防止活動実行計画策定の背景と意義を説明。奄美大島の電力供給と需要についても情報共有した。
参加メンバーからは「一戸建てを新築する際、太陽光パネルを設置する割合が奄美市では本土より少ない。台風や塩害への懸念が理由かなど調査してほしい」「太陽光や電気自動車の普及といった話題もあるが、奄美ではもともとの暮らしの中に脱炭素と結びつく考え方があったのではないか。自然に優しい暮らし。昔はこうだったという話も出せれば、奄美らしい計画ができると思う」といった意見があった。
安田市長は6月に奄美大島で発生した豪雨災害を引き合いに「私たちの生活、企業活動の積み重ねの一つ一つが昨今の気候変動につながっている。地球温暖化の防止に向け、小さくても確かな一歩を奄美市からも踏み出していきたい」と語り、プラットフォームでの活発な議論に期待を寄せた。
次回会議は10月を予定。事務局作成の計画の素案を基に議論する。