小児用のワクチン接種始まる 奄美群島・徳之島皮切り

2022年03月20日

地域

新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける男児=19日、徳之島町亀津

5~11歳の児童を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が19日、徳之島町の徳之島診療所で始まった。奄美群島では徳之島が皮切り。同日は島内の児童9人が接種を済ませたが、保護者からは「接種させるかどうか迷った」という声も聞かれた。同日午後5時現在、同診療所に体調不良などの連絡はないという。

 

徳之島3町は接種を任意とした上で、5~11歳の対象者へ接種券を郵送している。ワクチンはファイザー製の小児用ワクチンを使用。22日以降、同診療所以外の島内の医療機関でも接種が始まり、対象児童らの接種が加速するとみられる。

 

7歳の男児を連れて来所した30代の母親=伊仙町=は「4月に里帰りで島外に出るので接種させておきたいと思った」と説明。「子どもは感染しても軽症が多く、副反応の方が心配という理由から、接種をためらっている親も周囲にはいる」とも話した。

 

6歳の男児の母親で医療関係の業務に従事している40代女性=徳之島町=は「周囲で(12歳以上の子どもたちの)感染があり、ワクチンを接種した子の方が症状が軽かったので接種を決断した」と話した。一方で「接種券に同封していた説明に『5歳未満の人に対する有効性・安全性はまだ明らかになっていない』という一文があり、かなり迷った。接種させたくないという親の気持ちも分かる」と、複雑な心境も明かした。

 

7~11歳の子ども3人を連れ来所した母親=徳之島町=は「子どもたち自身が接種したいと言うので連れてきた。年上のきょうだいが既にワクチンを打って平気だったので抵抗が少ないのだと思う。家族が多いので接種してくれた方が安心」と笑顔で語った。