島民集い交流広げる 町学芸員が講演、歌遊びも 学生映画祭前夜祭
2024年03月10日
地域
瀬戸内町の与路島で開かれた第17回「JCF学生映画祭」(同実行委員会主催)の前夜祭は8日、与路集落の公民館であった。島民ら約30人が参加。同町学芸員の町健次郎さんによる特別講演や唄者の里朋樹さんの島唄ステージなどがあり、キッチンカーも設置された。
芸術活動による島おこしを目指し、映画祭の主催者と与路島観光協会(榮勝永会長)が協力して初めて開催した。
前夜祭は里さんの「朝花節」「朝顔節」で開幕。町さんは与路島の歴史について講演し、琉球王国時代の歌謡集「おもろさうし」に島の地名が記されていることや、かつては人口が多く古仁屋より栄えていたことなどを説明した。
集落の8割ほどを占めるサンゴの石垣は「群島内でも最大級」とし「自信を持ってほしい。ぜひ積む技術を伝承して」と保護を呼び掛けた。米軍統治下、断食祈願をせずに働いて稼いだ金を寄付した与路島独自の復帰運動についても言及した。
後半は与路小中学校の児童生徒たちが今年度の学習発表会で演じた島口劇「となりのヨロロ」の映像も上映。その後は全員で食事を囲み、和気あいあいとだんらんした。
島民らは里さんの三味線に合わせて歌遊びも楽しんだ。参加した津留アツノさん(69)は「普段このような機会はない。三味線の弾き手がいるとつい歌が出てきて楽しい」と笑顔を見せた。
与路島では人手不足のため、昨年5月を最後に集落最大の行事だった舟こぎ大会が中止に。榮会長(71)は「今は行事が少ない。今回をヒントに島内でよりよいイベントを計画していけたら」と話した。