当事者同士で交流広げる 障がいや病気の経験共有 自立支援協

2023年07月23日

地域

実現してほしい支援などについて意見を交わして交流を広げる参加者=21日、奄美市名瀬

奄美地区地域自立支援協議会が主催する2023年度「第1回はーとねっと ピア(当事者)交流会」が21日、奄美市名瀬の同市役所6階会議室であった。精神・知的障がいを抱える当事者や支援者など20人が参加。実現してほしい支援について意見を交わしたほか、障がいや病気と向き合ってきた経験を語り合った。

 

交流会は、同協議会の専門部会であるピア部会の取り組み。22年度に設置された同部会では、昨年10月に当事者が仲間を支援するための知識やスキルを身に付ける「ピアサポーター養成研修」を実施。修了生らが仲間づくりの機会として、交流会の開催を提案した。

 

この日は参加者らが4グループに分かれて交流。前半は「あったら良いなと思う福祉サービス」をテーマに、それぞれ考えを共有した。各グループからは、「障がい者がお金の管理の仕方などを相談できる窓口がほしい」「災害時に避難の判断や手助けをしてくれる支援があれば」などの意見が上がった。

 

後半は、自身のこれまでの経験や感情の変化の過程をグラフとして表す「リカバリーストーリー」を作成。当事者たちは過去を振り返り、将来の目標や希望も語り合いながら和やかに交流の輪を広げた。

 

全国の各自治体は今年度、厚生労働省の基本方針に基づき、24~26年度を期間とする「第7期障害福祉計画」を策定する。同協議会を運営する、奄美地区障がい者等基幹相談支援センターの大津敬センター長は「計画は福祉サービスを利用する人たち抜きでは決められない。交流会で出た当事者たちの意見を自治体とも共有し、反映できれば」と話した。