徳之島産コーヒーの魅力は? 徳之島高校でAGF社員が焙煎など指導
2022年12月03日
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【徳之島総局】伊仙町などと協力して徳之島でコーヒー豆の生産プロジェクトを進めている味の素AGFの特別授業「コーヒー勉強会」が2日、県立徳之島高校伊仙農場(旧徳之島農業高校)であった。同校総合学科生物生産系の2、3年生13人が受講。同社の専門家から、焙煎(ばいせん)や抽出の工程、徳之島産コーヒーの魅力などについて学んだ。
同社は丸紅、伊仙町、徳之島コーヒー生産者会と協定を結び、2018年4月から島内のほ場でコーヒーを育てている。同校生物生産系の生徒らは授業の一環で、コーヒーの苗木の育成や草取りなどの管理作業に協力していることから特別授業が実現した。
講師を務めたのはコーヒーマイスターを目指す同社の若手社員9人。従来はマイスター就任のために海外産地の視察などを行っていたが、新型コロナウイルスの影響で渡航できなかったこともあり、今回初めて徳之島での特別授業が組まれた。
授業ではコーヒー豆の焙煎やグラインド(豆ひき)、抽出などの作業を実践して徳之島産コーヒーを味わったほか、他産地との飲み比べや、徳之島産の原料を用いたバナナラテやパンケーキの試食もあった。
受講した正岡大暉さん(2年)は「徳之島産コーヒーは酸味と甘みが独特で他の産地と比べてもおいしかった。自分たちも関わっているコーヒーへの期待の大きさも分かったので今後の勉強の励みにしたい」と感想を述べた。
講師を務めた伊与田尚宏さん(28)は「徳之島産コーヒーの風味はブラジル産とコロンビア産の中間で飲みやすさが特長」と説明。「生徒たちは生産物としてのコーヒーには詳しいが、きょうの授業を機に商品、嗜好(しこう)品としてのコーヒーにも興味を持ってもらえたら」と期待した。
授業には島内の生産者や同社の竹内秀樹社長(61)も同席して社員と生徒たちを見守った。竹内社長は「特別授業は国産コーヒーの生産に協力してくれている徳之島への応援の意味もある。社員も生き生きと取り組んでいたので来年以降の継続を検討したい」と話した。