瀬戸内町勝浦の建設現場で複数の人骨発見

2019年02月25日

地域

出土した人骨を分析する(右から)竹中教授と鼎学芸員=24日、瀬戸内町埋蔵文化財センター

出土した人骨を分析する(右から)竹中教授と鼎学芸員=24日、瀬戸内町埋蔵文化財センター

 瀬戸内町勝浦集落の建設現場で14日、人骨が発見された。瀬戸内町埋蔵文化財センターが翌日発掘調査を行い、少なくとも14体(成人10、子ども4)の人骨を確認。「時代認定は難しいが、江戸期より以前の集骨か一次葬の墓跡ではないか」とみて調査を進めている。また、発見現場一帯は中世以降の埋蔵文化財の存在が知られている「周知の埋蔵文化財包蔵地」であり、掘削する場合は文化財保護法で事前の届け出が義務付けられている。同センターの鼎丈太郎学芸員は「同地域に限らず、掘削するときは連絡してほしい」と呼び掛けている。

 

 同センターによると、人骨は浄化槽設置のための掘削作業中に発見された。15日の調査では1・5メートル×1メートルの範囲で掘り下げたところ、深さ30~40センチと1・5メートルの2層に分かれて人骨が出土した。上層と下層では人骨の年代が違うとみられる。

 

 上層の人骨には古代の埋葬方法として知られるシャコガイがかぶせられていた。付近では古代に作られていた土師器のかけらも出土した。土師器の発見は瀬戸内町で初めて。

 

 24日は骨考古学を専門とする鹿児島女子短期大学の竹中正巳教授が来島。骨に付いた土を落とし、部位別に分ける作業などを進めた。今後は竹中教授が同大学に遺物を持ち帰り、詳しく調査する。

 

 竹中教授は「奄美大島南部の遺跡で人骨が出たのは屋鈍集落(宇検村)とここだけ。年代がはっきりしたら、屋鈍や徳之島、喜界島で出土した人骨とも比較ができ、奄美大島南部の人たちの特徴が分かってくると思う。貴重な資料になる」と話した。