鍾乳洞生かした観光など議論 知名町でサミット開催
2018年10月19日
地域
鍾乳洞の保存と魅力発信などを目的とした第31回日本鍾乳洞サミット(日本観光鍾乳洞協会主催)が18日、知名町のフローラル館であった。同町を含め観光鍾乳洞がある全国9市町村から50人余が参加。鍾乳洞を生かした観光振興や、次世代に継承していくための方策を考えた。
サミットの知名町開催は9年ぶり。午前中は同町の鍾乳洞「昇竜洞」でセレモニーを開催。県の許可を得て洞内に特設したステージで琉舞や島唄が披露された。
セレモニー後は県指定天然記念物の昇竜洞を参加者が視察。全国最大級の規模とされる洞壁一面に広がるフローストーン(鍾乳石)を楽しみながら洞内を散策した。球泉洞がある熊本県球磨村から参加した蔀初美さんは「入り口から出口まで全て鍾乳石に覆われ、その規模に驚いた」と話した。
サミットはフローラル館であり、一般住民も聴講した。「次の時代へバトンパス!わがまち、わがむら鍾乳洞自慢」をテーマに、各市町村の担当者がそれぞれの鍾乳洞の魅力や、観光資源としての取り組みを発表した。
年間入場者数約20万人の福島県田村市のあぶくま洞は、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスと連携して今年実施した洞内パブリックビューイング、来場者50万人以上の山口県美祢(みね)市の秋吉洞は、今月下旬に始まる洞内でのプロジェクションマッピングなど、ユニークな誘客イベントを紹介した。
知名町は大河ドラマ「西郷(せご)どん」の放送による誘客効果や、おきのえらぶ島観光協会のホームページを活用した昇竜洞の情報発信などの取り組みを伝えた。
サミットに先立ち、日本観光鍾乳洞協会の総会が開かれ、インスタグラムなどの会員制交流サイト(SNS)を活用した来場者によるフォトコンテスト、鍾乳洞スタンプラリーなどの共同事業の実施を了承。協会加盟団体の連携拡充を申し合わせた。次回は岐阜県高山市で開く。