食品入荷で混雑 スーパー、小売店に人出 奄美市

2023年08月12日

地域

食品を求め、多くの買い物客でにぎわう奄美市内のスーパー=11日正午ごろ、奄美市名瀬

奄美群島の各港に待望のフェリーが入港した11日、奄美市内のスーパーや小売店には多くの買い物客が訪れた。市街地や国道でも多くの配送会社のトラックが行き交い、市内は活気づいた。関係者や住民からは多くの安堵(あんど)の声が寄せられたが、定期便による流通の正常化にはまだ時間がかかる見通し。

 

奄美市名瀬のスーパー「イオンプラザ大島店」の正面口では開店前の午前9時ごろ、買い物客約20人が列を作っていた。開店後も次々と客が来店し、屋上まで続く立体駐車場では十数台が並ぶ渋滞も発生。店内はかごいっぱいに商品を乗せ、レジへ向かう姿が多く見られた。奄美市笠利町から訪れた50代女性は「ずっと奄美で暮らしているが、ここまでの長期欠航は初めて。冷蔵庫はもう空っぽ。船便が再開し、うれしい」と笑顔で話した。

 

同店の西岡健治総務課長は「ようやく入荷が始まりほっとした。きょう一日で納品可能な量は限界まで仕入れたが、品揃えが落ち着くには一週間ほどかかるかもしれない。落ち着いて買い物できる状態を早期に目指したい」と語った。

 

同市名瀬のグリーンストア入舟店も買い物客で混雑し、スタッフらも続々と納品される商品の陳列に追われた。岡﨑千恵フロア長は「欠航中、生鮮食品などは欠品したが、台風接近中も多くの地元業者に協力いただき、飲料や保存が可能な食品は提供を続けられた。品揃えが戻るには時間がかかるが、少しでも早く提供できるよう努める」と話した。

 

名瀬中心部の「奄美なぜまち商店街」でも買い物客や食事に訪れる住民や観光客の姿が見られた。同商店街で飲食店を経営する宮田正人さんは「台風接近に備え買いだめた分もあり、何とか営業できた。『開店していると思わなかった』と喜んでくれるお客さまもいたので、今後も台風には早めの対策をとっていきたい」と話した。