「ごーっという音、怖かった」 暗闇で海見えず 奄美市名瀬小湊

2022年01月17日

地域

漁船の様子を確認する住民ら=16日、奄美市名瀬の小湊港

1.2㍍の潮位の上昇が観測された奄美市名瀬の小湊港では一夜明けた16日、海の様子や停泊している漁船を確認する住民の姿が見られた。地元の女性は「暗闇で周りが見えず、海からごーっという変な音が聞こえて怖かった」と声を震わせた。

 

港のそばに住む吉田薫さん(52)は16日午前0時半ごろ、隣に住んでいる89歳の母親を車に乗せて高台に避難した。「夜中に警報が鳴ってみんな外に出てきた。真っ暗で潮位の変化も分からない。東日本大震災のことがあるので、怖いと思った」と話した。

 

停泊している遊漁船を見に来た奄美市名瀬の元平正弘さん(56)は、船の無事を確認してほっとした表情を見せた。「高知で船が沈んでいたので心配した。沖に引っ張られたようで、ロープが外れて反対向きになっていた。海面が光って見えて、海の様子はまだ変だ」と指さした。

 

町内会長の栄嘉弘さん(67)は「新型コロナウイルスの影響でここ2年くらい避難訓練ができていない。お年寄りが多く、3メートルの津波が来るという情報に半信半疑の人もいただろう。自分だけで判断せず、避難するべきときは避難するよう呼び掛けていきたい」と語った。