『世界の宝』を守れ! 官民90人が外来種駆除に汗 エコツアーガイド連絡協主催 龍郷町

2022年10月24日

地域

外来種を抜き取る参加者=22日、龍郷町

奄美大島エコツアーガイド連絡協議会(喜島浩介会長、会員140人)主催の外来種駆除作業が22日、龍郷町の戸口集落から加世間峠の一帯であった。会員や環境省、観光庁、自治体、世界自然遺産推進共同体の企業・団体の関係者など約90人が参加。1時間半ほどの作業で、生態系に影響を及ぼす恐れがあるアメリカハマグルマやセイタカアワダチソウなど、ゴミ袋60個(約400キロ)分を駆除した。

 

同会は2008年に発足。外来植物の防除作業は奄美大島の自然環境を守る活動の一環として例年行っており、今回は新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに実施した。

 

開会式では、竹田泰典龍郷町長が「世界自然遺産への登録後、観光客も増え、島民が遺産をどのように守っていくかが課題である。奄美の希少野生動植物種の保護につながるこの活動により、『島の宝』『世界の宝』を維持し、有効活用できるよう、皆で力を合わせて取り組みたい」とあいさつ。

 

作業は6班に分かれて実施。アメリカハマグルマとセイタカアワダチソウは、いずれもキク科の多年性草本で、繁殖力が強く在来種の生育に大きな影響を与えるとされる。種子の飛散を防ぎ、根から抜き取る必要があるため、参加者らは手作業で駆除に当たった。

 

喜島会長は「観光客の往来が多い場所で、奄美の在来種より、外来種が目立つのは不本意。今回、多くの方が活動の趣旨に賛同して参加していただき、本当にありがたい。活動を契機に、『宝』を守る意識が、地域にも広がることを願う」と話した。

加世間峠に続く道端に茂るセイタカアワダチソウ=22日、龍郷町