休校中の母校で授業 教室の風景、心に刻む 薩川中第19期生全国同窓会

2018年11月09日

地域

母校の教室で、恩師の授業を受ける同窓生ら=10月27日、瀬戸内町加計呂麻島の薩川中学校

母校の教室で、恩師の授業を受ける同窓生ら=10月27日、瀬戸内町加計呂麻島の薩川中学校

 瀬戸内町加計呂麻島の薩川中学校第19期生となる1951年度生まれの全国同窓会が10月27日、同島であった。今回は恩師の池畑睦子さん(82)=奄美市=を迎えて休校中の同校教室を借り〝授業〟を実施。参加者は教室の風景、恩師や同級生の声を心に刻んだ。

 

 同会は数え49の年祝いを機に4年に1回集まり、交流を続けている。今回も全国各地から17人が集まったほか、同校卒の先輩で地元在住の4人も授業に参加した。

 

 事前に授業の内容考案から実施まで全てを任された池畑さんは、自身や教え子の年齢を考慮し、「介護」をテーマとした指導計画書を作成。手書きの計画書を教え子が印字、製本し、この日限りの教科書が出来上がった。

 

 授業では、池畑さんが「いつまでもイキイキ自分らしく輝くために!」と題して講話した。自身の経験も交え、介護予防につながる運動や食事、気の持ち方などを助言。「年齢を重ねても自己の生活をこれでいいのかと自問自答し見直すことで、一段と輝ける」と呼び掛けた。

 

 香川県から参加した指宿弘明さん(67)は「あの頃と変わらない先生の授業が受けられてよかった。学校も懐かしかった」と笑顔。久しぶりに授業を行った池畑さんは「緊張して早口になってしまったが、教え子と顔を合わせて話ができてよかった」とほっとした様子だった。

 

 同校は生徒数の減少に伴い、2015年度から休校している。

同窓会に参加した薩川中卒業生

同窓会に参加した薩川中卒業生