奄美は前年度比3・6倍 県全体251件 24年度県内の低空飛行目撃情報
2025年05月14日
地域

奄美市名瀬の知名瀬地区上空を飛行するオスプレイとみられる航空機2機(提供動画より静止画で切り取り)
県危機管理防災局がまとめた県内での航空機低空飛行の目撃情報によると、2024年度は県全体で251件(前年度205件)となり、奄美群島は158件(同44件)と大幅に増加した。すべて奄美市内からの情報で、県内自治体最多。同市での目撃情報は43件だった前年度から約3・6倍に増えている。
県は06年度から県内の自治体や住民から寄せられた目撃情報の件数をまとめ、毎年公表している。24年度は、市町村別でみると奄美市に次いで日置市36件、鹿児島市35件、薩摩川内市11件などと続いた。航空会社や自衛隊で確認できない情報は、九州防衛局経由で米軍に照会しており、関係機関から回答を受けた24年4月~6月の目撃情報81件(うち奄美市40件)は米軍機の可能性がある。
奄美市防災危機管理室では市に寄せられた情報をその都度、県に報告している。同室によると、24年度に寄せられた情報のほとんどは名瀬の下方地区での目撃で、時間帯は正午以降。夜間の目撃も含まれている。目撃情報の3~4割が複数機で飛行しており、ほとんどが輸送機オスプレイとみられるという。担当者は「目撃情報があれば連絡してほしい」と話している。
同市名瀬知名瀬に設置されている騒音計測器では、70デシベル以上を24年度に計99回測定した。
日本の航空法は人口密集地の場合、最も高い建物の上端から300メートルを「最低安全高度」、人家のない地域の最低安全高度を150メートルと規定。米軍機は、日米地位協定に伴う航空法特例法(1952年制定)で適用を受けない。日米両政府は2012年の合意で、米海兵隊のMⅤ22オスプレイを原則約150メートル以上で運用するとしたが、23年7月10日から最低高度を約60メートルに引き下げることで合意している。