来年2月、総合プロデューサーに吉俣氏 島唄、オーケストラ融合

2022年04月20日

芸能・文化

ほこらしゃ奄美音楽祭の成功へ向け、関係機関の連携を確認した実行委員会=19日、奄美市名瀬

奄美独自の文化である島唄とオーケストラを融合させた音楽祭「ほこらしゃ奄美音楽祭」の実行委員会(事務局・県文化振興課)が19日、設立された。奄美市名瀬の県大島支庁で同日、設立総会と実行委の会合があり、来年2月25日に奄美市名瀬の奄美文化センターで音楽祭を開催することを確認。関係機関が連携して2024年度まで少なくとも3カ年度実施して島唄の魅力を発信するとともに、島唄を観光素材として県内外から誘客を図る。

 

実行委は県と奄美大島5市町村で構成。音楽祭の開催を通じ、奄美の自然や文化に対する理解を深めるとともに伝統文化の継承・発展と地域活性化を目指すことを目的としている。

 

実行委員長に県観光・文化スポーツ部長の悦田克己氏を互選。音楽祭の総合プロデューサーには、鹿児島市出身でNHK大河ドラマ「篤姫」の音楽を担当した作曲・編曲家の吉俣良氏、企画運営は奄美大島を中心に音楽関連イベントを開いているアーマイナープロジェクト代表取締役の麓憲吾氏を選出した。

 

音楽祭は地元の唄者と東京のオーケストラ奏者ら約50人が出演。島唄とオーケストラのコラボ企画曲や島唄・三線演奏、オーケストラのクラシック演奏などを予定している。入場者は1000人。このほか小中学生など400人の招待を検討する。

 

音楽祭の開催に合わせて来年2月23、24の両日、吹奏楽部などに所属する小中高校生へプロのオーケストラメンバーによる実技指導も実施する。

 

また、県内外からの観光誘客策として、音楽祭や地元の自然・文化を体験するツアーを組み込んだ旅行商品を造成するため、今後旅行会社などへ情報提供を行う。今年度の音楽祭関連の事業費は1800万円。

 

総合プロデューサーの吉俣氏は「島の人たちが喜ぶもの(イベント)を目指し、島全体で新しい音楽祭を成功させよう」と協力を呼び掛け、麓氏は「島唄文化の可能性が島内外に広がることを期待する」と述べた。

 

次回実行委は7月に開催し、音楽祭のプログラム内容などについて協議する。

悦田委員長以外の役員は次の通り。(敬称略)

▽副委員長 三原裕樹(奄美市総務部長)▽監事 仲新城長政(大和村副村長)新川康枝(県大島支庁長)