神戸に復興祈念緋寒桜の碑

2019年04月12日

地域

神戸市に設置された震災復興祈念緋寒桜の碑=2月23日、神戸市(提供写真)

神戸市に設置された震災復興祈念緋寒桜の碑=2月23日、神戸市(提供写真)

  【沖永良部総局】兵庫県神戸市の王子南公園近くの緑地に「震災復興祈念緋寒桜(ヒカンザクラ)の碑」が今年建った。阪神淡路大震災翌年の1996年、「被災した神戸市民に花と緑で安らぎを取り戻してほしい」と沖縄、沖永良部島からヒカンザクラの苗木やテッポウユリの球根などが贈られた。碑はその緑化支援と兵庫、沖縄、奄美の友愛の証しとして2月23日に設置された。

 

 震災後、復興支援団体から緑化支援の要請を受け、沖縄側で「阪神緑化再生プロジェクト支援奄美・沖縄委員会」を結成。沖永良部からユリ球根、沖縄県本部町とオリオンビール㈱からヒカンザクラ、東村からケラマツツジなどが神戸に贈られた。

 

 目録はマラソン愛好者らでつくる「沖縄地球を走る会」を経て市民団体「阪神グリーンネット」に渡された。

 

 碑の建立は、走る会メンバーで元沖縄県副知事の嘉数昇明さんが提唱。他会員らの賛同のもと寄付を集めて設置した。碑文には、この地にヒカンザクラが植樹された経緯や、碑に込めた関係者の思いを刻んだ。

 

 設置式には走る会や阪神グリーンネットのメンバー、沖縄、沖永良部に縁のある人ら約60人が参加。ヒカンザクラが咲く会場でテープカットして碑の完成を祝い、絆を深めた。

 

 走る会の比嘉良雄元会長(82)は「よくここまで育ってくれた」とヒカンザクラの成長を喜び、地元の人たちや関係者に感謝の言葉を述べた。

碑の設置を祝いテープカットする参加者=2月23日、神戸市(提供写真)

碑の設置を祝いテープカットする参加者=2月23日、神戸市(提供写真)