10年後、より良い芦検へ ふるさと探検隊で集落点検 宇検村

2022年10月25日

地域

集落内を点検する参加者ら=23日、宇検村

住民らが集落を点検して地域課題を探る、県主催のワークショップ「ふるさと探検隊(第1回)」が23日、宇検村の芦検地区(132世帯、244人)であった。住民や行政関係者ら約40人が参加。地域の将来像を描く「夢マップ」の作成に向け、集落内を歩き、生活環境の現状や改善点、活性化策などを確認した。

 

農林水産省の「中山間ふるさと・水と土保全対策事業」(ふる水基金)の一環。良好な農村環境の保全と地域活動の活性化を目的に、1994年から県内各地で始まり、同村では98年の湯湾干拓地、2020年の湯湾広下、21年の田検での実施に続いて4例目となる。

 

参加者は「集落コース」と「農地コース」の二手に分かれて集落を点検。結果を「いいところ」「直したいところ」に分類して地図に落とし込み、「集落点検マップ」を完成させた。

 

「いいところ」では▽高齢者らが集う場所(アシャゲなど)がある▽水土里サークル活動による遊休地の活用▽大良川の水辺整備の可能性―といった利点が並び、「直したいところ」では▽防災道路の整備▽空き家の利用▽防獣柵の設置―などの課題が挙げられた。

 

大島支庁の中島博也農林水産部長(60)は「農業生産活動が盛んな地区とあり、水土里サークル活動の活用や若手の営農に関し、とても心強い印象。今後は集落の『弱さ』を補いつつも、『強み』に焦点を置き、伸ばしていけるような将来像、計画を描いてほしい」と総括。

 

前田勝彦区長(68)は「住民自らが、集落の将来像について議論を交わせる、有意義な時間となった。フィールドワークでは、良い点、悪い点合わせ約70の気づきがあったが、さらに検討を重ね、5年後、10年後のより良い『芦検』を目指し、一つでも多く実現へとつなげたい」と話した。

 

2回目のワークショップは来年1月ごろに開催予定。地域課題の改善策など、住民らによる話し合いを通し、「夢マップ」を作成する。