まるでミカンかレモン 黄色いパッションが人気 若手農家が量産に挑戦 天城町
2023年07月18日
社会・経済
天城町で一風変わった黄色いパッションフルーツが販売され、話題となっている。パッションフルーツを見慣れている島民も「まるでミカンかレモンのよう」と物珍しげ。量産に取り組む若手農家の吉川勝也さん(39)は「見た目だけでなく味も良いと好評。徳之島を盛り上げる特産品にしたい」と意気込んでいる。
吉川さんは5年前に営農を開始。黄色いパッションフルーツの栽培には4年前に着手した。現在、約300株を育てており、今期は約1トンの出荷を目指している。普通のパッションフルーツに比べて酸味は控え目で、優しく上品な味と香りが特徴という。
黄色いパッションフルーツは以前から徳之島の一部で育てられていたが「自家受粉で実が着きにくい上、一つの枝になる実が少ない」(吉川さん)などの理由で生産者は少ない。70~200グラムと実のばらつきも大きく、商品化に不向きな側面もあるという。
吉川さんは着果率を上げるため、市場の流通量が多いパッションフルーツの品種「ルビースター」も併せて栽培し、日本在来のクロマルハナバチを放して受粉を促すなどの対策を施し、量産に成功した。「昨年ごろから少しずつ栽培のノウハウがつかめてきた」と手応えを示す。
現在、売値は1キロで約3500円とルビースターの約1・5~2倍。値は張るが、物珍しさから贈答用としての需要が増しているという。吉川さんは「今後はライチ栽培にも挑戦したい。南国の離島という条件を生かしたトロピカルフルーツの栽培に力を注ぐ」と意欲を見せた。
黄色いパッションは7月末ごろまで収穫が続き、同町瀬滝の県道沿いにある吉川果樹園で購入できる。注文や問い合わせは電話0997(85)3332同園まで。