インシグニア号が初寄港 米国船会社所有の豪華客船 22カ国から608人
2023年06月15日
社会・経済
米国の船会社が所有する豪華客船「インシグニア」(マロイェ・ブライチッチ船長、船員399人、総トン数3万277トン)が14日午前、奄美市名瀬の名瀬港観光船バースに初寄港した。港では観光関係者らがセレモニーを開き、北米など22カ国から訪れた608人を歓迎。乗客たちはそれぞれに集落散策や伝統産業の見学ツアーなどへ繰り出し、奄美大島の自然や文化を体感した。
船はマーシャル諸島船籍で全長181メートル、全幅25・46メートル。乗客の7割は米国からの参加者で、1割がカナダ、ほか英、豪など。奄美大島への寄港は南シナ海各国を巡る18日間の周遊ツアーの一環で、2日にタイを出発し、これまでにカンボジア、ベトナム、フィリピン、台湾、沖縄を訪問。奄美の後は鹿児島、京都、静岡へ寄港し、最終目的地の東京へ向かう。
観光船バースで催されたセレモニーでは、あまみ大島観光物産連盟の有村修一会長が奄美の文化や世界自然遺産に登録された自然環境について紹介し、「短い時間ではあるが奄美を存分に楽しみ、心に残る思い出を作ってほしい」と歓迎。ブライチッチ船長は船員と乗客を代表してもてなしに感謝を述べ、日本語で「どうもありがとう」とあいさつした。
初寄港記念の盾交換があり、紬美人の中西奈津美さんらが船長らへ花束を贈呈した。港から市街地へのシャトルバスが運行されたほか、島内ツアーも企画され、希望した214人が奄美黒糖焼酎の工場や本場奄美大島紬生産現場の見学、マングローブカヌー体験、地域住民との鶏飯作り体験などに出発した。
午後3時ごろから送別セレモニーがあり、地元の高校生や唄者らが島唄や六調で船を見送った。