サンゴ石垣の景観守ろう 喜界町阿伝集落

2018年10月21日

社会・経済 

サンゴの石垣の修復作業に当たる住民=18日、喜界町阿伝

サンゴの石垣の修復作業に当たる住民=18日、喜界町阿伝

 喜界町の阿伝集落(佐藤寿一区長、人口約70人)で18日、サンゴの石垣の修復作業が行われた。集落の有志が集まり、喜界島の伝統的な風景をよみがえらせた。佐藤区長は「今回の台風被害を含め、まだ数カ所崩れている所がある。観光客に喜んでもらえるよう、集落内でも相談しながら修復を進めていきたい」と語った。

 

 阿伝集落は、奄美群島国立公園の普通地域に指定され、喜界島の原風景ともいえるサンゴの石垣が多く見られる集落の一つ。集落(シマ)歩きでも人気のスポットだ。

 

 この日は、県道沿いの石垣を修復。高さ170センチ、幅5メートル、奥行き80センチほどの崩れた箇所に大きさの異なるサンゴ石を積んでいった。外側には大きめの石。内側には小さい石。隙間には小さい石を挟み、石の重さでより安定した組み上げになるよう計算された積み方だ。

 

 阿伝には、過去に石垣職人が複数いたが、今では経験者が2人いるのみ。集落を支える若手が少ないことに加え、石垣を積む技術の継承が難しくなっている。