人権テーマに作文発表や講演 和泊町で啓発フェス

2022年12月10日

社会・経済 

作文発表や講演を通して人権について考えた人権啓発フェスティバル=4日、和泊町

2022年度人権啓発フェスティバル(和泊町、同町教育委員会主催)は4日、同町の和泊中学校あかね文化ホールであった。地元の児童、生徒が人権をテーマに発表したほか、大学教授を招いた講演会があり、人権について考える機会とした。

 

同フェスティバルは同町で14年ぶりの開催。出花字子ども地域塾による伝統芸能「出花ヤッコ」で開幕した。

 

町内の児童生徒を対象とした人権作文コンテスト優秀賞の町田悠太郎君(和泊小4年)、横山珀琉さん(和泊中1年)が表彰を受けた後に作文を発表。町田君は海で足をオコゼに刺され、松葉杖を使って生活した際、多くの人に支えてもらった経験を振り返り、「自分だけでできることは思った以上に少ない。これからは困った人がいたら僕も助けてあげられる人になりたい」と語った。

 

横山さんは新型コロナウイルス感染症に感染した経験から、差別について考えたことを発表。友達からの温かい言葉掛けで「安心することができた」とし、「お互いに励まし合えば自然に思いやりの気持ちが生まれ、支え合えるのではないか」と訴えた。

 

10月の県高等学校文化連盟弁論大会で最優秀賞を受賞した沖永良部高校2年の川上天歌さん、県小学校人権作文コンテスト奨励賞の片平悠葵さん(大城小5年)もそれぞれ発表した。

沖永良部署の「インターネットと人権問題」に関する講話の後、東洋大学社会学部社会学科教授の西野理子さんが講演。社会の変容と親と子の関係性について考察し、「子どもは親の所有物ではない。一人の人として尊重されるのが大事。それを支援するのが親」などと語った。

 

隣接する和泊中学校体育館ではフリーマーケットや本の読み聞かせがあった。