仏クルーズ船社が表敬訪問 「島の美しい自然好評」 団体バス不足、課題に 県大島支庁

2023年09月15日

社会・経済 

新川康枝県大島支庁長(左)を表敬訪問したクルーズ船社ポナンの伊知地亮日本・韓国支社長(写真中央)=14日、奄美市名瀬

今年春に奄美大島や喜界島に寄港したクルーズ船「ル・ソレアル」(1万992トン)などを運航する船会社PONANT(ポナン、本社・フランス)の伊知地亮日本・韓国支社長が14日、奄美市名瀬の県大島支庁を訪れ、新川康枝支庁長を表敬訪問した。伊知地支社長は「島の美しい自然や大島海峡の夕景は乗客に好評で、観光の発展性もある。特産品の仕入れ連携や小学生向け船内見学などを通じ、地域にも貢献できれば」と意欲を示した。

 

ポナンは高級クルーズブランドとして知られ、運航する客船はプライベートヨットを連想させる小型の船体が特徴。今年3月の国際クルーズ船の受け入れ再開後、同社船は喜界島に2回、瀬戸内町古仁屋に1回寄港した。2024年は奄美大島に3回、喜界島に1回の寄港を予定している。

 

伊地知支社長は「地域の温かい見送りも奄美の魅力。一方で喜界島では島内ツアーに利用できる団体バスがなく、春休み中のスクールバスを借りている状態。鹿児島からバスをチャーターすると4日分が必要で採算に合わないなど交通手段が課題。補助の検討を」と訴えた。

 

新川支庁長は「受け入れ側としても奄美の魅力を知ってほしい。市や関係者との調整、検討を続けていきたい」と話した。

 

伊知地支社長は今年1月、鹿児島市の県庁を訪れ、塩田康一知事を表敬訪問。鹿児島を訪れるクルーズ旅行商品の展開に力を入れていくと強調していた。