初の一般公開に3200人 陸自駐屯地開設4年で記念行事 奄美市

2023年02月06日

社会・経済 

多くの来場者が見詰める中、訓練展示をする自衛隊員=5日、奄美市名瀬の陸自奄美駐屯地

陸上自衛隊奄美駐屯地(奄美市名瀬大熊町)と瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)の開設4年記念行事が5日、奄美駐屯地であり、同駐屯地内が一般公開された。奄美駐屯地で一般の人を対象に施設が公開されるのは初めてで、島内各地から約3200人が来場。装備品や訓練が公開され、駐屯地を訪れた人々は自衛隊の任務について知識を深めた。

 

両駐屯地は2019年3月に開設。奄美駐屯地には防空を担う中距離地対空誘導弾(中SAM)部隊や警備部隊、電子戦部隊など約400人の隊員が所属。瀬戸内分屯地には、対艦戦闘を実施する地対艦誘導弾(SSM)部隊など約210人が駐在している。

 

瀬戸内分屯地の一般公開は開設された19年に一度あったが、それ以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で奄美駐屯地も含めて一度も一般には公開されていなかった。

 

グラウンドであった記念式典では、日髙正暁奄美警備隊長兼奄美駐屯地司令が、近年の日本を取り巻く安全保障について「軍事力を持った国家が侵略するという意思を持っていること、すなわち脅威が顕在化している」と指摘。その上で「このような国家から自国を守るためには力による一方的な現状変更とその試みは決して許さないとの意思を明確にし、防衛力が必要」と話した。

 

式典の後には武器や小銃を使用した格闘展示や、模擬戦闘を展開する訓練展示などが行われた。午後には中距離地対空誘導弾の発射装置車などへの体験試乗や、ヘリコプター展示などがあり、来場者は試乗したり記念撮影などをしたりしていた。体育館では音楽ステージがあり、地元の唄者らが島唄などを披露した。