大雨、農業被害2億円超 奄美地方、水産業でも

2023年06月30日

社会・経済 

土砂や流木が押し寄せて全壊したマンゴーのビニールハウス=29日、瀬戸内町久慈

奄美地方で今月19日以降相次いで発生した線状降水帯による大雨で、農業被害が深刻化している。県によると、27日現在の被害額は農作物や農業施設など合計で2億2367万8千円に上る。奄美大島南部を中心にマンゴーなど果樹の被害が甚大で、農業用ハウスの全壊なども確認されている。

 

29日にあった県議会6月定例会の産業経済委員会審査で県農政課が報告した。

 

農作物の被害は栽培面積計1・01ヘクタールで1102万1千円。宇検村と瀬戸内町のマンゴー、パッションフルーツが降雨による浸水で被害額433万1千円、瀬戸内町では土砂の流入で樹木(マンゴー、タンカン、津之輝)が流出して639万2千円の被害が出ている。知名町では浸水によるソリダゴの被害額が29万8千円となっている。

 

農業施設の被害は大和村、宇検村、瀬戸内町で計4件(被害額2065万7千円)。土石流で農業用ハウスが全壊したほか被覆資材が破損した。農業・畜産業用機械の被害は調査中。

 

耕地関係では、農地29カ所で流出や埋没、法面崩壊が発生した。被害地域は瀬戸内町10カ所、伊仙町2カ所、和泊町と知名町で計17カ所あり、被害額は8550万円。農道や排水路など農業用施設の被害は10カ所(瀬戸内町4カ所、伊仙町2カ所、和泊町と知名町で計4カ所)で発生し、被害額は1億650万円に上っている。

 

このほか、27日現在で水産業の被害も2件確認されており、宇検村の養殖施設が一部損壊で被害額100万円。瀬戸内町では養殖魚が死んでいるのが見つかり、詳しい被害状況を調べている。