奄美の福祉団体と事業提携 食事支援、廃棄食材削減両立へ 県フードバンクセンター

2022年11月30日

社会・経済 

食料品の提供などについて協定書を交わしたフードバンクセンターと各団体代表者ら=29日、奄美市名瀬

一般社団法人鹿児島県フードバンクセンター(村上光信理事長)は29日、食料品の提供などに関して奄美群島各島の福祉団体と協定書を交わした。センターが企業や農家から受け付けた食品や野菜を地域の食事支援や居場所づくり事業に活用してもらい、未利用のまま廃棄される食品の削減や福祉支援につなげる狙い。奄美市名瀬の名瀬公民館で調印式があり、村上理事長は「ゆくゆくは奄美の地元企業、農家にも参加してもらいたい」と期待した。

 

フードバンクは、賞味期限が近いなどの理由で売り物にできないものの、安全に食べられる食品などを企業などに寄付してもらい、行政や福祉施設などを通じて必要とする人へ無償で提供する支援事業。

 

フードバンクセンターはこれまでNPO法人「お助けマン霧島」として活動してきたが、このほど鹿児島市の北ふ頭ターミナル内に倉庫と事務所を設置して活動範囲を県全域に拡大。喜界島出身の村上理事長の呼び掛けで、既に提携していた4団体のほか沖永良部島、与論島の2団体が加わった。

 

調印式には奄美大島のNPO法人フードバンク奄美、一般社団法人居場所づくり支援事業Um(うむ)と、徳之島、沖永良部島、喜界島のフードバンク代表者ら16人が出席。フードバンク与論も参加が決まっており、奄美群島全域で活動が展開される。

 

式の後は勉強会があり、村上理事長は「フードバンクは食品を提供する企業にとっても大きなメリットがある。今後は地元企業にも提供を呼び掛け、行政には送料や電気代などの運営支援を訴えていきたい」などと語った。

 

このほか、一般家庭から食料品の寄付を募る「フードドライブ」についてイオンプラザ大島店の谷川祐一店長から説明があった。奄美市名瀬の同店では毎月第2月曜~日曜の7日間、店内で米や缶詰、菓子、調味料などの未利用食品を受け付けている。