島に人呼び込む流れを 「さかさま不動産」沖永良部支局開設 家借りたい人が大家募集

2023年02月10日

社会・経済 

トークセッションなどで「さかさま不動産」の理解を深めた開局イベント=8日、知名町

【沖永良部総局】空き家や空き店舗などをを借りて挑戦したいことがある人の思いを可視化し、貸主を募集する不動産ウェブサービス「さかさま不動産」の沖永良部支局開局イベントが8日、知名町知名のコミュニティースぺース「entaku」であった。トークセッションを通じて運営会社が同サービスの概要を説明。支局運営を担うツギノバ(北海道利尻郡)の大久保昌宏代表理事は「この取り組みを沖永良部島でやっていくことで、島全体に人を呼び込む動き、流れをつくっていけたら」などと話した。

 

さかさま不動産は通常の不動産の手続きとは逆に、借りたい人の情報を開示して貸主から連絡を取り、合意に至れば各自で契約する仕組み。潜在する空き家の発掘や空き家を介した関係構築を担う実証実験として、株式会社On―Co(本社三重県)が運営し、2020年6月にサービスを始めた。支局開設は7件目で九州初。離島では全国で初めて。

 

イベントにはOn―Coとツギノバのスタッフ、和泊、知名両町の役場職員、地域住民ら約20人が参加した。

 

大久保代表理事は「島外の人を呼び込む動きが活発化される中、空き家や空き店舗を活用できれば、そこから町が、島がもっと盛り上がるのではないかと思った」と支局開設の経緯を説明。「島に物件を持っている人や何かしたいという人と僕らがつながって、1件でも1人でも多くその取り組みを進めていく手伝いをしたい」と思いを語った。

 

On―Coの水谷岳史代表は「空き家一つ一つを大事にし、地元の方がこの地域をどうしていきたいか、どういう人に来てもらいたいか、何を基準に選ぶかなどを話し合っておく必要がある」と運営に当たっての注意点を指摘。「人と人のつながりが深ければ深いほど情報は集まって来る」と島民に話し合いへの参加や情報提供の協力を呼び掛けた。