徳之島でCG病根絶確認調査 農水省 3町で7千本超実施

2023年06月11日

社会・経済 

徳之島でのカンキツグリーニング病根絶確認調査でサンプルの葉と枝を採取する調査員=5月30日、伊仙町阿権

農林水産省は5月から、徳之島でかんきつ類を枯死させる伝染病カンキツグリーニング病(CG病)の根絶確認調査を実施している。県による4年間の調査で感染樹が確認されなかったことによる措置で、今年度末までに少なくとも7千本以上を調べる。この間に感染樹が確認されなければ、2012年の喜界町に続いて根絶が宣言される。

 

CG病はミカンキジラミを媒体として伝染する。感染樹は葉が黄化、落葉し、果実が熟さず緑色のままになるなどの生育不良を引き起こす。奄美群島内では現在、徳之島、沖永良部島、与論島で確認されており、3島から未発生地域へのかんきつ類やイチジク、ゲッキツなどの苗木や生茎葉の持ち出しが規制されている。

 

門司植物防疫所名瀬支所によると、国の根絶確認調査は準備期間の1年間を含め県が22年度まで4年間実施した防除確認調査で、徳之島内で新たな感染樹が確認されなかったことに伴う対応。調査期間は1年間で、感染樹がゼロなら根絶となるが、陽性の樹木が確認された場合、最長2年間まで延長される可能性があるという。

 

調査は植防のほか、県・地元自治体の担当職員などが加わり、2~3人を1班とした6班体制で実施。腕章を付けた調査員が目視でかんきつ類の樹木を確認し、感染の疑いがある場合は葉を採取してPCR(病原菌の遺伝子増幅技術)検査で調べる。

 

5月中旬に徳之島町を皮切りに調査を開始し、1週間ごとに天城町、伊仙町と自治体をかえ6月上旬までに1回目の調査を終えた。13日から伊仙町で2巡目が始まり、年度内にかけて3町を一巡する調査・検査を繰り返す。

 

門司植物防疫所名瀬支所の大原謙二支所長は「調査対象は軒先にある自家消費用も含めた、徳之島3町にあるすべてのかんきつ類。根絶確認作業は住民の協力が一番大切」と調査への理解を求めた。