悩みや楽しみ語り合う 沖永良部視覚障がい者福祉協、講演・交流会 乗り越えに「人とのつながり」

2024年02月14日

社会・経済 

演奏を披露する沖永良部視覚障がい者福祉協会会員ら=11日、和泊町

視覚障がい者の交流会と講演会(沖永良部視覚障がい者福祉協会主催)が11日、和泊町役場結いホールであった。同協会会員や支援者など約30人が参加。鹿児島網膜色素変性症協会(JRPS鹿児島)の松清雅行会長が講演したほか、同協会会員とリモートで交流し、日頃の生活の様子や悩み、楽しみなどを語り合った。

 

講演テーマは「視覚障がいを乗り越えるために」。松清氏は「障がいを乗り越えるためには人とつながること」とし、自身が病気を自覚した大学時代、同じ病気の人と早い段階でつながり、進路を考える一助となった事や、病気に関する他地域での先進事例について情報を得られたおかげで就労先での問題解決につながった経験を語った。

 

講演した松清雅行氏

 

交流会はJRPS鹿児島会員が集まっている県本土の会場とウェブ会議システムでつないだほか、徳之島や大隅半島・肝付町などからの個人参加もあった。参加者一人一人が自身の視力の状況や生活の様子など自己紹介。和泊町の男性は沖永良部視覚障がい者福祉協会の語る会活動に触れ、「目が不自由になってからは家から出るのもおっくうで引っ込みがちだったが、協会で同じ境遇の仲間と出会え、今は語る会を楽しみにしている」などと語った。

 

このほか、障がい福祉サービスの同行援護事業を使った散歩やイベント参加、録音図書の利用、2人で乗ることができるタンデム自転車旅行の話題も。意見交換では話題に関する質問や感想を述べ合った。最後は沖永良部視覚障がい者福祉協会会員らが「永良部百合の花」など3曲の演奏を披露し、盛り上がった。

 

会場では医療機器の展示もあった。