招魂社前に焼香台設置 終戦の日 戦没者の冥福祈る 和泊町遺族会

2023年08月16日

社会・経済 

招魂社前で焼香し、手を合わせる遺族会の会員ら=15日、和泊町

和泊町遺族会(大脇克子会長)は終戦の日の15日、慰霊のため手々知名の南洲神社を訪れる人々のため、境内にある招魂社に焼香台を設置した。戦争の語り部が減少する中、悲惨な記憶を風化させないための取り組み。遺族会の会員をはじめ、訪れた人たちが戦没者の冥福を祈り、焼香して手を合わせていた。

 

同町の招魂社は1905年に建立。戦時中は戦没者の遺骨が帰還するたび、町民が集まって慰霊祭が行われていたとされる。68年に現在の社殿に改築された。

 

遺族会は、戦争の記憶を後世に伝えようと毎年、終戦の日に焼香台を設置。町有線テレビで会員による戦争の悲惨さや平和の尊さを訴える絵本の読み聞かせを放送するなど、子どもたちに戦争の悲惨さと平和の尊さを伝える活動にも取り組んでいる。

 

大脇会長(74)は「戦争の記憶が薄れつつある中、町民の皆さんに、国を守り亡くなった方たちがいたことを、心にとどめてもらいたいとの思いで焼香台を置いている。絵本の読み聞かせも好評で、戦争は良くないということを、子どもたちに対しても伝えていければ」と話した。