掘削進捗80%、10月貫通へ 安全対策で工期延長検討 瀬戸内町の眞久慈トンネル
2022年09月26日
社会・経済
県が瀬戸内町で進めている県道名瀬瀬戸内線伊目工区の同町古志地区と久慈地区を結ぶ「眞久慈(まくじ)トンネル」の工事が進んでいる。21日現在、トンネル延長326㍍のうち260㍍(進捗率約80%)まで掘削が進んでおり、10月にも貫通する見通しだ。県大島支庁瀬戸内事務所建設課は「安全第一に工事を進め、早期完成を目指したい」としている。
古志地区と久慈地区を結ぶ現道には、防災点検危険箇所が複数存在する。道路幅員が狭く、大雨時には崖崩れなども発生したことから、県が緊急時の交通ネットワークと防災体制の強化を目的に、2013年から車道拡幅などの工事を進めている。
同工区の総延長は約1000㍍で、古志側約300㍍は21年度までに改良済み。眞久慈トンネルは幅員8・0㍍、うち車道は5・5㍍で、掘削工事は今年4月に古志側から始まった。本体工事のみの事業費は13億6500万円。
トンネル工事箇所は岩盤がもろく、水が多い地質で安全面の対策が必要なことから、県は12月中旬終了を予定していた工期の延長を検討している。本体工事完成後は、照明の取り付け工事など内部の設備工事に入るとしている。
瀬戸内事務所建設課の綾織孝文課長は「災害に強い、安全で円滑な交通機能の確保といった事業効果に期待するとともに、住民の不安解消につながれば」と話した。