演習の一部を報道公開 奄美大島 外国の関係者も視察 自衛隊・米軍
2022年11月17日
社会・経済
自衛隊と米軍の日米共同統合演習(実動演習)「キーン・ソード23」は16日、奄美大島で実施する訓練と展開する装備品の一部を報道機関に公開した。併行して、演習参加国を含む9カ国の関係者が訓練のオブザーバーとして参加し、戦術的な情報共有、連絡調整や前線部隊の支援を目的に開設した日米共同の後方拠点などを視察。島しょ地域の防衛に関わる日米の連携を確認した。18日は徳之島で訓練の一部が公開される。
16日の報道公開は陸自奄美駐屯地と瀬戸内分屯地で実施。一部実動演習に参加している豪州や英国、カナダをはじめ、太平洋周辺諸国や北大西洋条約機構(NATO)加盟国などの関係者が視察に訪れた。
奄美駐屯地では、陸自と米海兵隊による共同戦術調整所(BGTCC)や負傷者を受け入れる収容所などを公開。収容所では陸自の後方支援部隊が米側と連携し、負傷者の容体を把握し対処する場面を実践した。
瀬戸内分屯地では、米陸軍の多領域作戦部隊「第1マルチ・ドメイン・タスク・フォース(MDTF)」がハイマースを展示。発射機を展開する様子や弾丸を詰め込む装填(そうてん)作業などを公開し、移動と発射を円滑に行う機動力を強調した。
演習全体では、武力攻撃事態やそれに至らない「グレーゾーン事態」を想定し、陸海空域に加え宇宙、サイバー、電磁波にも領域を広げた実践的な訓練を通じて日米の相互運用性向上などを図る。自衛隊約2万6千人、米軍約1万人が参加する。
実動演習は徳之島や奄美大島などで離島防衛訓練を実施。徳之島では陸自水陸機動団などが海岸で着上陸訓練を行い、日米の輸送機オスプレイが連携する。奄美大島では後方拠点を開設し、陸自12式地対艦誘導弾(12SSM)や米高機動ロケット砲システム「ハイマース」も展開する。群島内で実弾の発射はない。