自衛隊統合演習はじまる 徳之島に輸送機やフェリー 奄美群島

2023年11月11日

社会・経済 

徳之島空港に着陸した航空自衛隊のC2輸送機と降機した隊員ら=10日、天城町

奄美群島を含む全国で行われる陸、海、空の自衛隊による「自衛隊統合演習」が10日、始まった。天城町の徳之島空港には隊員輸送訓練の一環として、航空自衛隊のC2輸送機1機が着陸。隊員ら約40人が徳之島入りした。同町平土野港にも午前6時半ごろ、防衛省が事業契約する民間フェリー「ナッチャンWorld」が入港。車両約70台と共に隊員ら約170人が下船した。演習は20日まで。統合幕僚監部によると、群島内での訓練で実弾の発射はない。

 

午後2時50分ごろ、空自のC2輸送機が徳之島空港上空へ飛来。8の字を描くように上空を2度旋回し、午後3時ごろ着陸した。空自隊員らが降機し、午後3時45分ごろ離陸。車両の輸送はなかった。空港の周囲には見学や撮影に訪れる地元住民の姿もあった。

 

県港湾空港課によると、C2輸送機は徳之島空港の使用重量制限(24トン)をオーバーしていたが、国際民間航空機関(ICAO)の基準に基づき、滑走路などの使用は可能と判断。着陸を許可した。C2輸送機は今年、スーダンやイスラエルからの邦人退避などの任務にも当たっている。

 

また10日、新たに防衛省側から▽17、18日 U4多用途支援機またはC1輸送機▽18、19日 CH47大型輸送ヘリ―の徳之島空港使用届が出され、県が受理した。

統合演習で予定される群島内の主な訓練は次の通り。

 

▽12~15日 奄美市笠利町の旧奄美空港跡地で統合後方補給▽13、15日 徳之島空港でF15戦闘機の離着陸▽13、15~19日 徳之島空港で早期警戒機E2Cの給油▽17日 徳之島内で空挺降下、着上陸作戦▽17~19日 奄美空港でF15戦闘機の離着陸訓練―など。大和村や喜界町でも通信や警備の訓練が行われる。