起業家向けにCF実践会 奄美群島広域事務組合
2021年06月06日
社会・経済
奄美群島広域事務組合の「起業準備スクール・クラウドファンディング実践会」が5日、奄美大島を皮切りにスタートした。受講生はオンライン受講も含めて全5回の講義に参加し、インターネット上での資金調達に関する知識を身に付ける。初回は奄美市名瀬の奄美会館であり、講師で一般社団法人沖縄・ビジネスインキュベーション・プラザの能塚善之氏が「クラウドファンディングを本格的な起業の前の試作品づくりや市場調査、ファン獲得に活用して」などと語った。
クラウドファンディング(CF)は「クラウド(群衆)」と「ファンディング(資金調達)」を組み合わせた造語。アイデアやプロジェクトを公開し、共感した支援者から広く資金を集める仕組みのこと。
同組合は2020年7月、CFの大手総合サイト上に地域独自のプラットフォーム「奄美群島with CAMPFIRE(ウィズ キャンプファイヤー)」を設立。奄美群島振興交付金を活用し、起業者向けの支援事業を展開している。
実践会は2021年度スタートアップ支援実証事業の一環。受講生は各島で開かれる講座と個別サポートを通じて独自のプロジェクトを起案し、実際にCFでの資金調達を目指す。
能塚氏は「起業を考えるときは『誰のため、何の役に立ちたいか』という目的を明確にすることが重要」と助言。事業コンセプトを整理し、よりよい商品開発や提供方法などを考える上で、①試作・市場調査②スタートアップ直前・ファンづくり│の2段階でCFを実施することが有効と述べた。
事例報告として、CFを活用して起業した「とよひかり珈琲店」(宇検村)の浅尾朱美代表、「&mano」(沖縄県)の屋嘉舞代表が自身の経験を発表。浅尾さんは「創業準備と並行した返礼品の発送や日々の情報発信が難しかったが、資金調達とPRを兼ねることで島内外にファンを獲得できた」などと語った。