過去最高2万4616円 農家手取り、前期比1110円増 砂糖価格高騰背景に 23年産キビ

2023年12月28日

社会・経済 

 生産者交付金と原料代で構成する2023年産(23~24年期)サトウキビの生産者手取り価格が27日、決まった。参考となる基準糖度13・7度の価格(トン当たり)は前期比1110円増の2万4616円。手取り価格の算定方法が現行方式となった07年産以降では、21年産から3年連続で過去最高を更新した。

 

生産者手取り価格は①政府支払いの「甘味資源作物交付金(生産者交付金)」と②粗糖の国際価格を基準に算定し、製糖会社が生産者へ支払う原料代―の合計。交付金は国の予算が絡むため前年の12月に決定し、原料代は毎年10月から翌年9月までの砂糖年度の第2四半期(1~3月)の輸入糖売り戻し価格の告示に伴って決まる。

 

23砂糖年度の第2四半期輸入糖売り戻し価格は27日、トン当たり前年同時期を1万8184円上回る12万6981円に決定。売り戻し価格の上昇について農林水産省地域作物課は「長雨や干ばつなど主要生産国における天候不順に伴う供給不足や円安の進行、ブラジルなどでキビからバイオエタノールを作るなどキビの利用目的が変わりつつあることが要因ではないか」と分析している。

 

県農協中央会は23砂糖年度の第2四半期輸入糖売り戻し価格を基に、原料代の参考価格を算出。基準糖度13・7度の原料代は前年より1110円高い7756円となった。生産者交付金は22年12月に1万6860円で決まっている。

 

原料代は糖度により増減し、最終的に製糖会社が決定する。