静か、快適♪EVバイク 輸送部門脱炭素化へ実証 高校生対象に試乗会 沖永良部島
2022年07月30日
社会・経済
和泊、知名両町は27日、知名町の沖永良部自動車学校で県立沖永良部高校の2年生80人を対象にEV(電動)バイクの体験試乗会を開いた。8月から始めるゼロカーボン通学実証事業を前に、同事業やEVバイクについて説明。希望する高校生が試乗し、静かな乗り心地や走りに満足していた。
両町は2022年4月、環境省から脱炭素先行地域に選定され、公共施設の省エネ・再エネ化など脱炭素に向けた取り組みを進めている。両町の二酸化炭素排出量の約半数を占める輸送部門では、個人が使用する自動車、バイクのEV化を目指しており、今回の実証事業はその第1弾。使用するEVバイクは和泊5、知名5の計10台で、8月から23年3月まで、希望する高校生に1人1カ月間ずつ計50人に貸し出す。
事業には沖永良部高校、パーソナルモビリティー(先進的な技術を用いた小型の移動支援機器)事業を展開するカレンスタイル(本社・東京都)、バイク製造元のヤマハ発動機(本社・静岡県)が協力する。
知名町企画振興課によると、同島では現在、高校の通学生の約7割が通学手段として原付きバイクを利用しているが、バイク購入費や高騰する燃料代などが、家庭の大きな負担になっているという。
同課は「本格導入にはバイク本体の提供や充電の方法、島内の走行性能など、利用者の意見を踏まえた導入支援が求められる。貸与事業を通じて、通学、日常生活におけるEVバイクの有効性や課題確認、意見聴取を進め、移動手段の脱炭素化に向けた取り組みを進める」としている。
体験試乗会でEVバイクを試乗した東奏汰さん(16)は「EVバイクはテレビなどで見て興味があった。走り心地がスムーズ。エンジン音がしなくてびっくりした」、脇山茉莉亜さん(16)は「今原付きバイクを使っているが、ガソリン代が1カ月に2千円ほどかかる。EVバイクを使ってはみたいが、購入費や電気代がどれぐらいかかるかが気になる」と話していた。