高値取引に期待大 バレイショ出発式 今期共販8388トン見込む 徳之島
2022年01月30日
社会・経済
徳之島の2022年産赤土新バレイショ「春一番」の出発式が29日、徳之島町のJAあまみ徳之島事業本部であった。関係者約80人が出席。JAあまみの徳之島、天城両事業本部の今期の共販計画は出荷量8388トン、販売額16億7760万円。全国的な品薄により高値での取引が予想されており、出発式に参加した生産者らは期待に胸を膨らませながら出荷へ向けて気勢を上げた。
出発式は「徳之島地域赤土ばれいしょ『春一番』連絡協議会」と徳之島、天城両事業本部が共催。今年は伊仙町で開催する予定だったが、島内で新型コロナウイルスの感染拡大があったことから、規模を縮小し、会場を変更して徳之島町での開催となった。
21年産は日照不足や強風などの影響で、両事業本部の合計出荷量は前年実績比2067トン減の4257トン。目標の8641トンの半分に届かなかった。一方、販売額は取引価格の上昇で、目標額より1億7600万円減の13億7900万円と大幅な減少は抑えられた。
22年産は植え付け期の種イモ不足があったものの天候に恵まれ生育は順調。本格的な出荷は2月中旬から3月上旬を予定している。共販計画は徳之島事業本部が収穫面積281ヘクタール、5058トン(前年実績281ヘクタール、2452トン)、天城事業本部が同172ヘクタール、3330トン(同175ヘクタール、1805トン)。
徳之島事業本部の平山正也統括理事は、開会のあいさつで昨年に実現した世界自然遺産登録に触れ、「国内外へアピールできる付加価値になる。このチャンスを生かし、子や孫に誇れるブランド産地を築くためにも3町一体で生産目標を達成しよう」と団結を呼び掛けた。
JA県経済連からは情勢報告があり、競合産地の北海道、長崎からの出荷量の減少で、1月上旬の東京中央卸売市場では取引実績が935トン(前年比56・5%)と減少し、単価はキロ当たり233円(前年比140・7%)と上昇していることなどが伝えられた。
出発式には東京青果、名古屋青果の各担当者がリモートで参加し、それぞれ「計画目標以上の出荷をお願いしたい」「昨年は品質が悪かった分、今年は品質向上と適期出荷を心掛けてほしい」など産地への要望を届けた。
約1ヘクタールの農地でバレイショを栽培している白山幸夫さん(70)=徳之島町=は「今年は日照も降雨も問題なく順調に育っている。例年同様に11トンほどを収穫予定だが、今年はスタート時の販売価格が200円を超えるのではとみている。どれだけ収益が上がるか楽しみ」と笑顔を見せた。