ロボットで省力・効率化 認定・担い手研修会に30人 喜界町

2022年11月01日

社会・経済 

農業用ドローンの実演などを通じ、スマート農業の利点を学んだ研修会=27日、喜界町湾

喜界町認定・担い手農業者連絡協議会(高岡清信会長、会員93戸)は27日、町内で2022年度研修会を開いた。ドローンなど農業用ロボットを活用したスマート農業に関する講習や実演会があり、参加者は先端技術を駆使した農作業の省力化や効率化など、スマート農業のメリットに理解を深めた。

 

協議会事務局の町農業振興課によると、2020年時点の町内の農業従事者数は873人。このうち、65歳以上の高齢農家は50・17%を占めており、将来的に労働力不足による生産力の低下が懸念されていることから、今回の研修では、農作業の省力化による生産力維持を見据えスマート農業について学習。会員や農業関連団体から約30人が参加した。

 

町役場であった室内研修では、県大島支庁農政普及課の轟栄起技術主査が、畜産やサツマイモ生産の現場でのスマート農業の活用事例を紹介。スマート農業の利点として▽省力化・大規模生産を実現▽きつい、危険な作業から解放▽経験の浅い人も高度な作業が可能-などを挙げ、「スマート農業技術の導入はゴールではなく経営発展の手段。稼ぐ力を引き出し、所得向上を目指して」と強調した。

 

引き続き、同町湾の研修ほ場で、農業用ドローンと既存のトラクターに後付けして使用する「自動操舵システム」の実演会があり、機材のメーカー担当者らが操作方法などを解説。参加者は農業用ロボットによる農薬散布や耕運の作業を見学し、正確性や速度に驚きの声を上げていた。

 

主にサトウキビの生産に取り組む農業法人ファームテック喜界では、8月にトラクターの自動操舵システムを導入。岩下雅大代表取締役(38)は「このシステムを使えば、誰でも正確に耕運や畝づくりが可能で、収穫のしやすさや収量増も期待できる。今後はシステムを生かして受託作業や生産規模を拡大し、島の農業を盛り上げていきたい」と話した。