奄美大島、タンカン共販35トン減 21年度、糖度高く単価は上昇

2022年04月20日

社会・経済 

21年度産タンカンの販売実績などを報告した出荷販売反省会=19日、奄美市名瀬

JAあまみ大島事業本部生産部会連絡協議会果樹専門部会は19日、奄美市と龍郷町で2021年度産タンカン出荷販売反省会を開いた。21年度産の出荷実績は前期比35・202トン減の66・296トン。21年度産から奄美大島5市町村が足並みをそろえて選果場利用料の助成事業を開始したこともあり、委託選果は前期比25・152トン増の140・578トンと大幅に増加した。

 

奄美市の農業研究センターであった反省会には約20人が出席した。果樹専門部会によると、21年度産は気候条件に恵まれ、平均糖度は前期より0・77度高い12・37度。出荷実績のうち、規格外品を除く「製品」は57・366トンだった。製品のキロ単価は前期より21円高い549円で、販売金額は1018万6000円減の3151万7000円となった。

 

支所別出荷実績は名瀬17・506トン(計画量18・450トン)▽笠利0・621トン(同1・860トン)▽住用14・369トン(同7・8トン)▽龍郷2・722トン(同4・6トン)▽大和13・458トン(同18・2トン)▽宇検8・297トン(同9・550トン)▽瀬戸内9・324トン(同8トン)。出荷申し込みをしながら一部で持ち込みをしなかった生産者もいたが、ほぼ計画通りの数量を確保した。

 

等級別出荷割合は秀品(A品)23・9%、優品(B品)31・8%、良品(C品)13・5%、規格外品30・8%。果樹専門部会は「今期は台風がなく糖度が高かった。家庭選果が徹底され、病害果が例年より少なかったこともあり、秀品率が例年の約15%を大きく上回り、キロ単価が上昇した」と報告した。

 

20年度産から選果場を利用した生産者に対し、製品率や平均糖度、平均酸度などをグラフ化した光センサー分析結果の提供を開始。果樹専門部会は「毎年のデータを積算して、今後の生産に役立ててほしい」とした。一部持ち込みゼロの生産者がいたことについては「計画通りに出荷できない事情もあるだろうが、せめて連絡をするなどしてほしい」と要請した。

 

行政の選果場利用料助成効果もあり、委託選果は計画を約37トン上回った。出席者からは委託選果の受け入れ日数の増加や、選果場を利用する生産者に時間的な負担がかからないよう、円滑な選果運営を求める意見があった。

 

20日は宇検村、21日は瀬戸内町と大和村で反省会を開催する予定。