黒糖焼酎、海外販路へ期待 専門家が蔵元を見学 町田酒造

2019年02月02日

社会・経済 

 

黒糖焼酎を試飲する鎌田さん(右)=1日、龍郷町の町田酒造

黒糖焼酎を試飲する鎌田さん(右)=1日、龍郷町の町田酒造

 北海道札幌市で飲食店を経営し、国酒(日本酒、焼酎)ソムリエとして活躍する鎌田孝さん(58)が1日、奄美大島入りし、龍郷町の町田酒造(中村安久社長)を見学した。黒糖焼酎の歴史や味わいなど魅力に触れ、海外への販路拡大に期待した。

 

 鎌田さんは札幌市出身。「世界きき酒師コンクール」(2012年)の「日本酒」「焼酎」2部門で準優勝するなど「国酒」の専門家として活躍。海外への国酒の魅力発信に向け、国内での理解促進を狙い、各地でセミナーやイベントを手掛けている。

 

 観光業関係者向けセミナーに講師として参加するため来島した。同日午後、町田酒造の酒蔵を見学。製造工程や各種設備の規模、特徴的な製法などの説明を受け、奄美大島の歴史を物語る黒糖焼酎について理解を深めた。見学後、同酒造の各銘柄を試飲した。

 

 鎌田さんは「奄美大島に根付く黒糖焼酎の貴重さを感じた」と感動。「お酒には土地の文化が凝縮されている。日本酒は海外で人気を集めつつあり、国酒への需要はある。焼酎についても売り出し方に工夫が必要」と語った。

 

 セミナーは3、4日、奄美市名瀬と同市笠利町で開催。キャッシュレス(現金を用いない決済方法)対応をテーマに、具体的な設備や手続きを解説する。

 

 鎌田さんは「黒糖焼酎や大島紬といった魅力的な品があっても、現金以外の購入方法がなければ、海外からの観光客が購入できない場合もある。そうした損失を防ぐためにも、キャッシュレスは効果的な手法」と呼び掛けている。

 

 セミナーについての問い合わせは電話0997(69)3860奄美市紬観光課。