与論で最大瞬間53㍍ 時間100㍉超、過去最多 台風24号

2018年09月30日

自然・気象

垂れ下がった電線とともに強い風に揺さぶられるサトウキビ=29日午後2時ごろ、伊仙

垂れ下がった電線とともに強い風に揺さぶられるサトウキビ=29日午後2時ごろ、伊仙

 大型で非常に強い台風24号は29日、奄美群島全域を風速25㍍以上の暴風域に巻き込んだ。同日午後 11時現在、与論町で午後10時48分に最大瞬間風速53㍍を記録、午後10時59分までの1時間に観測史上最多の106・5㍉の猛烈な雨が降った。奄美地方が暴風域を抜けるのは30日朝の見込み。引き続き暴風や高波、大雨に警戒が必要だ。

 

 名瀬測候所によると、奄美地方は南部が29日の午前7時ごろ、北部が午後2時ごろに暴風域に入った。最大瞬間風速は天城町で午後6時16分に51・4㍍、瀬戸内町古仁屋で午後9時15分に観測史上最大の49・1㍍を記録したほか各地で40㍍を超えた。

 

 台風に伴う発達した雨雲が流れ込んで局地的に激しい雨が降り、天城町でも1時間雨量が40㍉を超えた。

 

 台風は29日午後9時現在、徳之島の西約60㌔を時速30㌔で北北東へ進んでいる。中心気圧は950ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は45㍍、最大瞬間風速は60㍍。中心から東側280㌔以内と西側220㌔以内は暴風域、中心から南西側650㌔以内と北東側560㌔以内は風速15㍍以上の強風域に入っている。

 

 奄美地方が暴風域を抜けるのは南部が30日の明け方、北部が朝、全域が強風域を抜けるのは同日夕方になるとみられる。

 

 奄美地方で30日に予想される最大風速は北部で45㍍(最大瞬間風速65㍍)、南部で35㍍(同50 ㍍)。うねりを伴う波の高さは北部で13㍍、南部で10㍍の見込み。30日午後6時までの降水量は多い 所で1時間に80㍉、24時間で400㍉に達する恐れがある。

 

 名瀬測候所は土砂災害や低い土地への浸水、河川の増水や氾濫、高潮に警戒を呼び掛けている。