大島高野球部 塗木哲哉監督インタビュー「目標ベスト8へまず1勝」 

2022年02月19日

スポーツ

大島高野球部 塗木哲哉監督インタビュー「目標ベスト8へまず1勝」

奄美市名瀬の県立大島高校野球部が、2014年以来2度目となる選抜高校野球大会(3月18日開幕)の舞台に立つ。野球部を率いる塗木哲哉監督にチームの特徴や大会への意気込み、14年に同部を甲子園へ導いた渡邉恵尋(よしちか)前監督に8年前の経験を踏まえた現チームへのエールをそれぞれ聞いた。

─選抜出場が決まった時の気持ちは。
「九州大会準優勝という結果も残したので選ばれるだろうと思っていたが、校長室で待っている間は緊張した。電話が鳴り、出場が決まった時はうれしかったし、ほっとした」

─一般枠での出場に至った昨秋の県大会優勝、九州大会準優勝と躍進した要因は。
「現在の3年生が現役だった一世代前のチームの時から、現チームのエース・大野稼頭央や主将の武田涼雅など、主力選手が試合に出場していた経験が生きた。九州大会の開催地が当初の沖縄県から鹿児島県に変更されるなど巡りもよかった」
「(県大会決勝で)試合を決めた打球がポテンヒットになったり、大事なところで相手にエラーやボークが出るなど、運が良かった部分はあった。厳しい試合が多かったが、すべての試合で生徒が勝ち負けを考えず、その瞬間を楽しみながらプレーしたことがこの結果につながったと思う」

─チームは「甲子園でベスト8」という目標を掲げてきた。どういうチームづくりをしてきたか。
「12年ほど前に、知人の教諭から夏の甲子園に出場したチームの過去10年分の地区大会成績をまとめたデータを頂いた。甲子園ベスト8に入るチームは7得点以上取り、2失点以内に抑えていることを知り、目指す指標が分かった」
「ノーアウト1塁からバントで送ったら1点しか狙えないが、打ってつなぐと2点取れるチャンスができる。複数の点数を取る攻撃の練習をしてきた。守備では1試合で相手に3回得点の機会があれば、1回は無失点に抑えるような守備が必要。ボールに触れる機会の多いバッテリー、内野の順に鍛えてきた」

─選抜大会に向けての強化ポイントは。
「甲子園という舞台で乱れるのは捕球と送球。普段から打球に対して正面に入って捕球し、どこに投げるのかを意識しながら練習していく。打撃については現時点では数多く振ることが大事。3月に入ったら反対方向を意識したバッティングを鍛え、指示したことができるレベルに持っていきたい」

─チームの特徴、目標は。
「バッテリーを中心とした守りから攻撃につなげるオーソドックスなチーム。先に失点しても、点がほしいという場面で力を発揮できる集中力の高さは特徴と思う。目標とするベスト8へまず1勝し、8強を達成したらさらに切り替えて上位を目指す」

─野球部を応援してくれる人へ一言。
「楽しんで野球をしている生徒たちの姿を見て、周囲が感動したり、評価してくれるのは本当にありがたい。皆さんの応援が僕らの自信や勇気になる。感謝の一言に尽きる」

塗木哲哉監督略歴 鹿児島大学時代は投手。高校野球の指導者を目指し筑波大学大学院を修了。1995年に鹿児島南高を夏の県大会準優勝に導いた。その後頴娃高、志布志高を率い、それぞれ2003年、11年に開催された選抜大会の21世紀枠県推薦校に選出。14年に大島高へ赴任し、16年秋から野球部監督。奄美市名瀬で夫人と2人暮らし。54歳。