クルーズ誘致計画、精査を  IUCNに要望書提出

2019年07月12日

地域

記者会見する奄美の自然を守る会の(左から)田原会長と杉岡副会長=11日、大島支庁記者クラブ

記者会見する奄美の自然を守る会の(左から)田原会長と杉岡副会長=11日、大島支庁記者クラブ

 瀬戸内町が同町西古見・池堂地区への誘致を考えている大型クルーズ船寄港地誘致計画について、反対する奄美の自然を守る会(同町、田原敏也会長)は10日、世界自然遺産候補地の現地調査を担当する国際自然保護連合(IUCN)に要望書を提出した。IUCNが今年夏から秋にかけて奄美大島で行う予定の現地調査に際し、観光管理の観点から同計画についても精査するよう求めている。

 

 要望書は同日メールで発送。11日、田原会長(63)と杉岡秋美副会長(65)が大島支庁記者クラブで会見し、内容を報告した。

 

 要望書では▽行政と住民間のコミュニケーション不全▽持続可能な観光に対する住民の理解が進まないままでのマスツーリズム(大衆化された観光)振興▽大型クルーズ船を使った外来種侵入、固有種の違法取引―など、同計画の不備や懸念材料を指摘している。

 

 田原会長は「今のところ瀬戸内町は計画を白紙に戻していない。IUCNにこの要望書をどう取り上げてもらえるか分からないが、われわれの意見に賛同してくれている人々の思いの丈を考慮してほしい」と話した。