龍郷小が環境大臣賞 「渡り」の探究学習が評価 野生生物保護功労者表彰
2025年05月14日
子ども・教育

野生生物保護功労者表彰・環境大臣賞を受賞した龍郷小の児童ら=13日、龍郷町
龍郷町立龍郷小学校(住友智光校長、児童15人)がこのほど、2025年度の野生生物保護功労者表彰・環境大臣賞を受賞した。アサギマダラやサシバの「渡り」などの生態を知る探究学習の取り組みが評価された。13日の全校朝会で賞状と記念たてを受け取った児童らは、受賞を喜び、探究活動のさらなる発展に意欲を見せた。
11日に東京都であった第79回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」で表彰式があり、野鳥をはじめとした自然環境保全・野生生物保護の普及啓発に取り組む個人、団体が表彰された。
龍郷小では環境学習の一環として06年からアサギマダラのマーキング活動に取り組んでおり、その生態や飛行ルートなどを学習している。
23年度からはサシバの生態を研究している団体や大学と連携し、GPS(全地球測位システム)などを活用してサシバの活動範囲や「渡り」の調査を実施。学校周辺を縄張りとするサシバの観察会や専門家の出前授業なども開き、その生態を学んでいる。
これまでに、サシバの繁殖地である長野県の村立木島平小や、ツルの越冬地である出水市立鶴荘学園と、オンラインで交流学習も実施。学習発表会などを通じ、渡り鳥などが生息できる環境保全の重要性の発信にも取り組んできた。
6年の池山夏輝さん(11)は「生き物が大好きなので、活動していてとても楽しかった。表彰はうれしかったし、賞状がすごく大きくてびっくりした」と話していた。
住友校長は「普段当たり前のように目にしている自然環境が、とても価値あるものなんだと児童自らが気付き、その豊かな自然を守る意識を、探究活動を通して今後も育んでいければ」などと語った。
同校は、10月に宇検村で開催予定の国際サシバサミットへの参加・活動発表に向け、25年度も探究活動に取り組むという。