クロウサギ事故防止を啓発 きょうからキャンペーン 「夜間は特にゆとり運転を」 世界遺産の奄美大島・徳之島

 国の特別天然記念物アマミノクロウサギの交通事故防止に向けたキャンペーンが15日、生息地の奄美大島と徳之島で始まる。空港や街頭でリーフレットを配布するなど啓発活動を展開し、住民や観光客に安全運転を呼び掛ける。7月に世界自然遺産に登録された両島では希少動物の交通事故が大きな課題となっており、環境省奄美野生生物保護センターは「クロウサギが活動する夜間は特にゆとりのある運転をお願いしたい」と注意喚起している。

 

 アマミノクロウサギは両島の固有種。環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類。野生生物を襲うマングースの駆除や野生化した猫(ノネコ)の捕獲など、保護対策が進んだことで、両島ではクロウサギの生息状況が回復しており、近年は交通事故が増加している。

 

 環境省によると、クロウサギの交通事故は2000年の調査開始以降で両島合わせて394件に上る。そのうちけがをして保護されたのは17件のみで、ほとんどが死亡した状態で見つかった。

 

 15年以降は事故の増加傾向が続き、20年は過去最多の66件(奄美大島50件、徳之島16件)に上った。21年は7月末時点で奄美大島23件、徳之島8件と前年同期(奄美大島22件、徳之島9件)とほぼ同じペースで多発傾向が続いている。

 

 交通事故防止に向けたキャンペーンは毎年、クロウサギが繁殖期を迎えて活発になる秋ごろに環境省が実施。今年は11月15日までの2カ月間。奄美空港と徳之島3町のスーパーでリーフレットを配布して安全運転を呼び掛けるほか、ラジオや自治体の広報誌での啓発や、公共、観光施設へのポスター掲示、奄美空港でのパネル展などを展開する。

生息状況が回復し、交通事故が増加している国の特別天然記念物アマミノクロウサギ(資料写真)